2009年2月27日金曜日

白熱灯とヘアーキャップ

無菌室という場所は殺風景な部屋である。刑務所(に個室があるかどうか知らないが)とビジネスホテルシングルを足して2で割ったようなインテリア。常時、空調が「ぶぅーん」となっていて耳障りで、蛍光灯の光がチカチカしてまぶしい。杏の城が幸いなのは、大きなガラス窓があるという点。ただしこれは、雪の日、雷雨の日、変わった雲が浮かんでいる日、夕焼けがきれいな日、ときたま虹の日など、気象的スペクタクルを楽しめる日以外、あまり面白みはない。つくづく、この部屋に1つでもあれば、心の緊張がとけるだろうにと思ったものが、白熱灯ランプである。
<禁断の持ち込み品>
1)白熱灯
成城の「attic」で高さ25センチくらいの小さい卓上ランプを購入。これを無菌エリア外にある専用冷蔵庫の上に置いて、夜中付けっぱなしにしてみようと思う。
2)かぶりもの
白血病患者にかかせない帽子。バンダナはいかにも「闘病がんばってます風」でイタいし、だからといって何もかぶらないと頭が寒い。やわらかいコットン帽子をいくつか先輩に寄贈していただいたので、それをかぶったりかぶらなかったりしていたが、今回は思い切ってドリーミーなヘアーキャップを持参しようと思う。ちなみに色は白。

2009年2月24日火曜日

ぼちぼちと入院準備

をしなければならないと思いつつ、「退院するころにはもう暑くなっているのだろう」と、麦わら帽子だけ出して満足し、書原で買った本を読んでゴロゴロしているというぐうたらな毎日。

2009年妊婦の旅(SF)

4日前、今年退任されたゼミの教授とお電話。
時間をどうやりすごすかという点について集中講義を受ける。
3日前、バニーボタンでお茶。卓球。
2日前、聖が丘ヴェルサイユ宮で食事会。
W師匠の御飯はやはりおいしい。入校開けのS君も加わり餃子をがっつく。
キクラゲのサラダもおいしかった。
1日前、雨。ダラダラしていた。
本日、臨月に入った妊婦友人が5センチヒールのブーツを履いて遊びに来る。出産予定日の3日前まで仕事が入っているとか「仕事中、破水したら面倒。タオルあてて横浜まで帰らないと」と言っていて目がテンに。駅まで送った後、本屋で立ち読みしていたら便意を催し、涙目に。高田純次「適当伝説」を購入。
iBookのCDの調子が悪くなりイライラする。数年愛用していた綿のレッグウォーマーをなくしたようでショック。

2009年2月17日火曜日

郵便物が豊作な1日

何やら這いつくばってでも、
望みのものを手に入れたいと渇望し、齷齪し、思考し続ける時は必ず、
心が貧しくなり、傍目からみてイタい雰囲気を醸しているものだ。
苦労を知らずに育った人においては、そうした渇望力が希薄である。
だからこそ、カラッとしたおおらかさと、
純度の高い無気力を併せ持つのだろうなぁと思う今日このごろ。
頭部CT、消化器外科受診。
アナル検診などもう朝飯前です。はい。
触診&肛門鏡検査後、その先生と面と向かって話をするのは、
さすがにシュールでありますなぁ。
幸い綺麗な肛門だそうで、はい、ありがとうございましたー。
朝、中学時代の旧友M氏からお電話いただく。
夕方、大学時代の旧友U氏からお電話いただく。
M山先輩、卓球仲間S嬢、サークル仲間ミキティほかから手紙届く。

アゲインストの北風

昨日、大学関連悪友であり、ギャラリストのO森嬢と密会。
バタバタしていて行けなかった恩師の退任記念講演について、
どんな内容だったか報告を受ける。
「重要なのは"差延"」と力説するO嬢。
かなり難しい結論に。
ネギだく焼豚ラーメンを食べて、山芋のぬるぬるを食べて、
チョコを食べて、「濃い尿が出るんだろうね」と言いつつ、
ちかく結婚予定の彼氏の話などを聞いて、お互いの無事を祈祷。
駅までの道すがら強い北風にあおられ、
「前途多難な気がするね」と眉間にシワを寄せ合った。
京都のO黒君から電話いただく。
相手の語尾にいちいち「からのぉ〜?」「しいのぉ〜?」と付けて(アンタッチャブルの山崎風に)、
めったやたらと無茶なフリを要求するプレイ。

2009年2月16日月曜日

バレンタインデー

大トリアノン宮にて会社関係の人々に励まされる会。
一番の出し物はクリエーターSW氏のマジック。
マジックを見るのもたのしいが、
それを見て驚く人の顔をまじまじと見るのも愉快なものだ。
ふんどしに関しては、、、 お尻サイドの方が正面ではないかと思った(謎)
A嬢が力説する「男のデカ尻はダメ」という件に関して、
なるほどと思った今日この頃。
デメル、テオブロマ、ピエール・マルコリーニ、オリオール・バラゲほか、
各方面から高級ショコラをいただきました。
ありがとうございますm(_ _)m

2009年2月10日火曜日

ひどい母親

通院帰り、家で母と夕飯。動物番組を見ながら、母がボソッと「最近、カバ見てないなぁ〜」。
「デキる女はシンプルなニットにジャラッとした長めのネックレス。それからキラキラしたストラップ付きの携帯を持ってる」と言うバリキャリ営業ウーマンの母。バッグからちょっと汚れた自分の携帯電話を出して、そのストラップ(水玉ブルーのランドセルを背負ったちんまい犬がついてる)の紐部分にピンクのビーズを通し始めた。「これでどう?ちょっとイケてる風になった?」と聞くので、「あまりイケてない」と言ったら、そのちんまい犬をブチッとはずして「こうしてやる!」と放り投げてしまった。

一本道

移植が怖いとドクターに言ったら、「柳の木の影が幽霊に見えるのと同じように怖いのでは」と切り返された。というか実際のところ、幽霊が怖いのだが。

2009年2月7日土曜日

シャレポワンとは

いちおう説明させていただきますと、世田谷卓球界のシャラポワ、アンタッチャブルのシャレ山紀信、さらにはドラクエのポワン様を足して3で割った結果です。おシャレとか駄洒落とかいう意味もあるとかないとか…

2009年2月6日金曜日

眼鏡をつくる

朝、A嬢から「のだめカンタービレ」全巻が届く。「のだめのヘンタイぶりにとりつかれるわ」と書いてある直筆イラスト入りのカードを見て吹き出す。お守りもありがとう。A嬢もわたしも、昨年1年間でめきめきとイラストの腕を上げて。。。
昼、隣町へ散歩。2日ぶりくらいにお外出ました。常用していたカール・ラガーフェルドの眼鏡が重いので、縁なしの軽い眼鏡を作った。オーストリアの「silhouette」というやつ。壊れていたスペア眼鏡のレンズを生かせるというので、それにsilhouetteの枠だけ付けてもらうことにした。ツルの弾性が高いので、頭をはげしく振ってもレンズがずれない。血小板が下がっている時にこんなに頭ふったら血管切れるんだろうなぁと思いつつ、しばらくヘッドバンギングは封印しておこう。コンタクトレンズが目に入らない時でもこの眼鏡があれば卓球できそう。
夜、ベルッチと御飯。お札を出したら「いらんいらん」と言う。いつもおごってもらって悪いわと思うので、半分だけでも払うと言ったら、サンローランのミューズを持つ細腕に力こぶを作って「わてS3やし☆」だと。白金にお勤めのバリキャリは違うわぁ〜と痛感した今日このごろ。

2009年2月2日月曜日

こけらおとし

1月末日、家族を集めた移植説明会。確立統計学のおそろしさ。造血細胞をくれる予定の弟君いわく「姉貴に先に逝かれては困る。なぜなら俺、両親の面倒をみたくないから」。

カワセミちゃん

自己紹介

自分の写真
2007年12月31日、ドラマみたいに白血病で突然入院。かーなりハードな化学療法(JALSG ALL 202-O)を1年かけてやり過ごし、2009年3月に末梢血幹細胞移植を受け、2010年11月に臍帯血移植を受け6カ月以上寝たきり状態に。退院したと思ったら、半年ばかり入院、そしてまた半年ばかり入院して、2013年を病院で迎えてしまって、いっぱいいっぱいな日々をひっそり過ごしている人がひっそり書いている雑記。