風邪のとき、寝込んでいるのが退屈で、
家族に「人生ゲーム」をやろうとよくねだったものだ。
アイスノンをおでこにあて、
ぼんやりした頭でコマを進めながら、
シャレさんは飛行機のパイロットになって喜んだ。
あっくんは子だくさんになったり無一文になったりしていた。
父はおとなしい人生を送っていた。
ゴホゴホ、ズルズル、ギャアギャアと盛り上がっている傍らで、
キシリアさんだけは、
メモ用紙を切って新たに発行しなければならないほどの、
大量の株券を買ったり売ったり、
約束手形にまみれて破産しても平然としていたりして、
子ども心にヤバい人だと思った。
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